Kill the Messenger

昨年の10月にアメリカで限定公開された映画”Kill the messenger”がネットにアップされていたので、チェックしました。
主演は、ハートロッカーのジュレミー・レナーです。



・あらすじ
主人公は、カリフォルニア州サンノゼにある地方新聞社の記者、ある日、政府がコカインの密輸に関与しているというネタをある女性から渡される。
そのネタの確証を得るために、裁判所で麻薬密売人の裁判を担当する検察官に探りを入れたところ、裁判が中止となり被告人が自由になってしまった。
状況を掴めない主人公、タレこみをしてきた女性に確認すると、検察は陰謀が発覚しないように麻薬密売人を開放したのよ。彼がいないければ、陰謀の件は表ざたにならないから”とのことだった。

主人公は、検察が訴訟を取り下げるようにするためのコマとして使われたに過ぎなかったのだが、女性との別れ際に”あれがあなたの追っている陰謀に関わっている男よ、名前はブランドン”と教えられ、主人公はその陰謀を解き明かそうと必死に取材をしていくのだが・・・

というお話でした。


・感想
実話に基づいた作品、かつ、劇中での4トンものコカインをアメリカ政府関与の元で密輸したというセリフがあったので、ネットで検索すると・・
映画でも取り上げられた名前が、”やばい経済学”のコカイン・クラックの項目で記載されていました。

CIAがニカラグアでの反共工作の資金を得るために、コカイン・クラックを輸入させ、その上がりで武器を購入してニカラグアに輸出するという陰謀の中心的な人物がブランドンで、彼の手によって、主に黒人の住民の多い地域でクラックが大量に出回ったという事実が判って、そりゃ、映画のような流れになるわなあと納得してしまいました。

このような大きな陰謀を何も知らない人たちに知らせようと奮闘する主人公と家族との絆もうまく描かれていましたが、正直、映画館でみるほどの映画ではないと思います。

なお、ネットで検索した時に、白人の使用者の多いコカインと黒人の使用者の多いクラックでは、量刑100倍もの差がある事を知って、こういう所に色々な思惑があるんじゃないのって勘繰ってしまいました。


・参考
TED(日本語字幕):やばい経済学の作者による”クラックの経済学”という講演


・リンク先(字幕なし)